フリーク アウト







 誰が、俺は強いだなんて決め付けた?
無限のソウル。無限の可能性。やめてくれ、多分に残酷に未来に期待などしないで欲しい。 どんなに可能性があったって、結局のところ俺は俺以外の何物にだって成れやしないのだ。適わない。勝手に失望するくらいなら都合 よく俺にひかりを見出さないで。俺はとても弱い。
 助けて欲しい。乞わないで欲しい。救いなど求めないで欲しい。俺は、強くなんてない。 それは、いつか明るい処で露呈されるであろう俺の賢しさ臆病さ、或いは誰かが美徳と呼んだもの。 それらを纏めて俺は弱さと呼ぶ。だって、否定したって強く成れる訳ではないだろう? それでも、弱さを認めてしまったら動けなくなる。甘んじてしまうんだ俺は。 己の弱さを認める事が強さだなんて、そんな傲慢は強者の理論で俺には少しも理解できない。 自らを弱いと認めて一体何を守れるというのだろう。矛盾だらけだ。だから俺は否定も肯定もしないで 何も気付かない振りして莫迦みたいに歩き続ける。このまま往き着くとこまで往けば良い。どうせ其処にしか往けないんだ。この脚は。
 そうして辿り着いたこの結末。これは悪い冗談か? ああ、一体俺は何処で何を間違えたんだろう。どうして君を殺してしまったんだろう。
本当は世界なんてどうでもよくって、俺は、俺と、俺の大切な人たちが幸せに笑って呉れていたらそれで良かった。 世界を救いたかったわけじゃないんだ俺は。君を救いたかったんだ。いや違うかな。欲しかったんだ。 証明するまでも無い事を証明したかったんだ。俺は最低の人間だって、俺に期待してる奴等に思い知らせてやりたかったんだ。
 ねえ、狂気じみた恋の為になにもかもをうっちゃって莫迦みたいに突っ走れる人間だって、そんな誰も彼もが認めて呉れる様な、 ありふれたつまらない人間だと言って詰って呉れよ。
 ああ、でも、どうか、お願いだから責めないで欲しい。俺の弱さ。



「救世主なら俺を救ってよ」






















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ラスボス戦直後。
21:59 2009/09/23

05,09,01